税効果会計の基本を理解するのに欠かせない「所得(課税所得)と利益の違い」について、わかりやすく簡単に解説します。
所得と利益の違い
【税効果会計をわかりやすく簡単に5🤔】
✅所得と利益の違い
→所得も利益も儲けだけどイコールではない✅例えば?
→会計では損失が見込まれたら貸倒引当金を計上
→税法では「回収見込みがほぼダメ」な場合に計上
→ズレてる
→「マイナスした費用」を利益にプラスして所得を計算🧮 pic.twitter.com/J9xAQnfDag— 内田正剛@会計をわかりやすく簡単に (@uchida016_ac) 2019年5月6日
両方とも儲けだけど考え方に違いがある
会計は、「どの程度稼ぐ力があるのか?」を金額で明らかにすることを目的の一つにしています。
具体的には「収益 – 費用 = 利益」で「稼ぐ力」を明らかにするので、「儲け」を計算しています。
一方の「税法」も、儲けを計算します。
ただ、「儲け」の性質が会計の儲けとは異なっているのです。
会計は「稼ぐ力」を明らかにしたいので、「稼ぐ力が落ちた資産」は積極的に評価を落としますし(=費用にする)、損失が発生しそうなものも積極的に損失(=費用)を記録しようとします。
一方の税法は、「儲け」を「状況が同じであれば誰が計算しても同じになるように」計算します。
不公平があってはダメだからです。
なので、「損失が発生しそうだ・・・👀」という将来の見積り系の費用は、「限りなく確実に」なるまで、費用とは認めません。
だから、会計と税法にはズレが出てくるのです。
調整の仕方は?
税金の計算はどうするのでしょうか?
会計の儲けの計算は「収益 – 費用 = 利益」という式で計算しますが、税法はよく似た概念の「益金 – 損金 = 所得」という式で計算します。
では、所得は一から計算するのかというとそういうわけではありません。
以下の進め方で計算します。
【税効果会計をわかりやすく簡単に6🤔】
✅所得の計算方法は?
→会計の利益が出発点✅税法が「費用として認めないもの・収益として今年になって認めたもの」
→利益にプラス✅税法が「収益としてみとめないもの・費用として今年になって認めたもの」
→利益からマイナス✅この結果が所得 pic.twitter.com/1ZcCuXtJB4
— 内田正剛@会計をわかりやすく簡単に (@uchida016_ac) 2019年5月6日
あくまで、会計の利益をベースにおいて、「税法的にコメントをつけたい項目」を利益にプラスマイナスして「所得」を計算するというスタンスです。