「持分変動差額の仕訳は何をしているのか知っておきたい!」 連結決算の仕事を任されて持分変動差額の会計処理が必要になったら、自信を持って仕訳をしたいですよね。理解するポイントは2つあります(みなし売却の意味・わかりやすい図解)。そこで今回は、連結や持分法の会計処理で出てくる持分変動差額を、図解でわかりやすく簡単に解説します。
持分変動差額の仕訳を図解でわかりやすく!連結や持分法の会計処理を解説
記事の信頼性
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当記事を読むメリット
連結決算で出てくる持分変動差額の考え方が理解できるようになります。
記事の目次
今回のブログ記事で解説する主なトピックを紹介します。
考え方を簡単にいうと
増資に伴って株主の持分が変動する場合の会計処理を、2つの取引を組み合わせて考えます。
これをみなし売却といいます。
簡単にいうと、一旦株主割当増資をして、その後に売ったという2つの取引です。
【のちほどここに図表を入れる予定です】
持分変動差額はなぜ発生?
出てくる場面
投資先が、時価で第三者割当増資をしたときに出てきます。
このうち、持分割合が増えるときは「追加取得」と捉え、持分割合が減少するときは持分変動差額となります。
株主割当増資であれば、投資額と持分の増加額に差は発生しません。
持分変動差額が発生する理由
増資額を全額非支配株主が引き受けたケースが、イメージしやすいです。
親会社の投資額と持分の変化を見てみましょう。
親会社の投資額
引き受けていないので、投資額に変化はありません。
持分の金額
時価発行増資に伴って投資先の株主資本が増えるので、(持分比率は下がっても)親会社の親会社持分は増えます。
非支配株主が引き受けた金額と、増えた非支配株主持分に差が生じるためです。
このような背景があるので、投資額と持分の増減額に差が発生します。
【のちほどここに図表を入れる予定です】
持分変動差額の考え方をわかりやすく
わかりやすくお伝えするために、以下の前提を置くこととします。
・株主Aの持分割合:60% (増資後55%へ)
・株主Bの持分割合:40% (増資後45%へ)
・C社が第三者割当増資を実施 (株主Bが全額引受)
株主割当増資【取引1】
第三者割当増資をしたものの、それを一旦株主割当増資したと考えます。
例えば、増資した1,000を株主Aが600、株主Bが400引き受けたことにするイメージです。
みなし売却【取引2】
その後すぐに、5%部分を株主Aが株主Bへ売却したと考えます。
実際には売っていないものの、最終的に株主A:55%、株主B:45%という実態を表現できるので、経済的実態は同じということになります。
ここで覚えておいてほしいのは、「実際に売ったわけではない」という点です。
引受額と持分の増加額に差がある場合
第三者割当増資をしたことで、C社に対する株主Aの持分と、株主Aが実際に引き受けた金額に差が生じることがあります。
差は発生したものの実際に売ったわけではないので、この差は資本剰余金として会計処理します。
【のちほどここに図表を入れる予定です】
連結決算での持分変動差額
イメージを膨らませるために、簡単な数値例で見ていきます。
前提
・株主Aの持分割合. :80% (増資後70%へ)
・株主Bの持分割合 :20% (増資後30%へ)
・株主AのC株式簿価 :5,000
・株主Aの増資前持分:4,000
・第三者割当増資額 :2,000(全額株主Bが引き受け)
・増資は時価で発行
簡単な数値例と仕訳
株主割当増資【ステップ1】
2,000をいったん株主割当増資したと考えるので、連結仕訳は下記の通りです。
(借)資本金 1,600 (貸)子会社株式 1,600
(借)資本金 400 (貸)非支配株主持分 400
みなし売却【ステップ2】
株主Aが10%部分を株主Bへ売却したと考えるので、連結仕訳は下記の通りです。
(借)親会社持分 700 (貸)非支配株主持分700
(借)子会社株式1,600 (貸)親会社持分 700
(貸)資本剰余金 900
仕訳まとめ【ステップ1&2】
ステップ1の仕訳とステップ2の仕訳をくっつけると、下記のようになります。
(借)資本金1,600 (貸)非支配株主持分1,100
(借)資本金 400 (貸)資本剰余金 900
【のちほどここに図表を入れる予定です】
持分法での持分変動差額
改正前の会計ルールと同じく、損益処理を原則とし、例外的に利益剰余金へプラスマイナスする処理が認められています。
【のちほどここに図表を入れる予定です】
今回のブログ記事はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
後日、YouTube動画とPodcastのリンクを公開します。
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