連結決算の税効果会計って、なんだか難しくて混乱しちゃいますよね。でも、考え方がわかれば簡単に理解できますよ。そこで今回のブログでは、連結の税効果会計の仕訳と考え方を図解でわかりやすく簡単に解説しました。
連結決算の税効果会計の仕訳と考え方を図解でわかりやすく簡単に解説
考え方
連結仕訳で「差が追加で」発生するので、連結でも税効果が必要です。
「連結と法人税の差」を考えると、理解が進みますよ!
「連結の税効果も会計と法人税の一時的なズレ」
そのズレの中に、「単体と法人税のズレ」と「連結と単体のズレ」があります。
連結仕訳で出てくる損益の調整は当然ながら法人税では認めません。
なので、連結仕訳をした分だけ会計と法人税の一時的なズレも、追加で発生します。
連結決算の税効果の具体例
連結仕訳でよく出てくる連結決算の税効果の具体例を紹介します。
未実現利益の消去
繰延税金資産が出てきます。
会計(単体)と法人税での利益を、連結仕訳で打ち消しているからです。
グループ外へ販売したときに連結でも利益は実現しますが、会計(単体)と法人税では既に課税済です。
なので、連結が想定する税額よりも実際の税額の方が少なくなる「将来減算一時差異」が発生します。
貸倒引当金の調整
繰延税金負債が出てきます。
会計(単体)と法人税での費用を、連結仕訳で打ち消しているからです。
引当金がなくなったらこの差はなくなります。戻入益をイメージするとわかりやすいですが、解消する時に会計(単体)と法人税の方が、収益が多く発生し、税額も増えます。
なので、連結が想定する税額よりも実際の税額の方が多くなる「将来加算一時差異」が発生します。
連結決算の税効果会計の仕訳
考え方
「単体合計のダブりを消す」
これが連結仕訳の考え方のポイントです。
それに伴って損益が動いたら、連結で税効果が発生します。
例えば、債権債務消去。
連結会社の個別決算書を合算したら、債権と債務がダブって計上されています。
なので連結仕訳の「債権債務相殺消去」をします。
すると、貸倒引当金が計上しすぎになっているので、連結仕訳で消します。
消した結果、会計と法人税で貸倒引当金に追加で差が発生しますが、将来的に貸倒引当金がなくなると解消します。
つまり一時差異なので、連結仕訳に伴って税効果の仕訳が必要になります。
こんな感じで段階を踏んで考えていくと、連結の税効果もしっくりくるようになります。
未実現利益消去の税効果の仕訳
費用を増やす仕訳をします。
理屈は、簿記の時の仕繰繰仕に修正を入れるイメージです。
期末の在庫の金額が多すぎるイメージですから、繰仕の逆仕訳です。
そして会計だけ費用を増やすわけですから、将来減算一時差異が発生します。
会計の視点から見ると先に納税済なので、差が解消するときに所得を減らす効果があるのと、連結外部へ売った時に解消する差異だからです。
貸倒引当金の調整の税効果の仕訳
費用を減らす仕訳をします。理屈は、貸倒引当金の計上の逆仕訳をするイメージです。
引当対象の債権を消去したので、貸倒引当金が多すぎるという考え方です。
会計だけ負債(=資産のマイナス)を減らすわけですから、将来加算一時差異が発生します。
会計の視点から見ると後で納税するので、差が解消する時に所得を増やす効果があるのと、貸倒引当金がなくなると解消する差異だからです。