「ICOの会計処理はどうするのかな?」仮想通貨の取引の会計処理のルールが整備され、ICOにもフォーカスが当たりました。では、具体的にどんな会計処理が求めらるのでしょうか。今回は、投資型ICOの会計処理の入門知識を、わかりやすく簡単に図解で解説します。
【入門】投資型ICOの会計処理をわかりやすく簡単に図解で解説
記事の信頼性
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当記事を読むメリット
投資型ICOの会計処理の考え方が理解できるようになります。
記事の目次
今回のブログ記事で解説する主なトピックを紹介します。
簡単にいうと
ICOとは?【基礎知識のおさらい】
仮想通貨を使った資金調達のことです。
英語ではInitial Coin Offeringと書くので、頭文字を取って名付けられています。
会計ルールで整備されたのは?
ICOのうち、投資型のICOです。
投資型ではないICOは、現時点でも会計ルールの整備対象から除かれています。
投資型のICOとは?
仮想通貨を購入してもらう見返りに、(将来儲かったら)収益を分配するなどの債務を負っているものが、投資型ICOです。
用語のかんたん解説
難しい用語がたくさん並んでいて読みにくいので、はじめに全体像と用語の意味を解説します。
電子記録移転有価証券表示権利等
意味
以下の2つの項目から構成されます。
1. 株券などのうち、有価証券が発行されないもの
2. 信託受益権や集団投資スキーム持分など
このうち、2が「電子記録移転権利」で、当ブログ記事のトピック(仮想通貨のICO)も2に含まれます。
したがって、投資型ICO以外も整備の対象にしているので、会計ルールの名前が「電子記録移転権利等・・・」という難しい名前になっているわけです。
特徴
ブロックチェーンを使っている点に特徴があります。
とはいえ、従来から使われている「みなし有価証券」と実態は同じと考えて、会計ルールが整備されています。
ブロックチェーン
電子版の取引台帳のことで、取りまとめる組織が存在しない点に特徴があります。
1つの会社がコントロールしているわけではないので、分散型の管理とも呼ばれます。
会計処理の基本的な考え方
ブロックチェーンを使っている以外は、みなし有価証券となんら異なることはないと捉えています。
したがって、みなし有価証券の会計処理(発行・保有)と同じルール整備となっています。
ただし、当会計ルールは株式会社に限定している点に注意が必要です。
ICOで払い込まれた金額がどの区分に計上されるかによって、会計処理を分けています。
負債
払い込まれた金額の返済などの義務を契約で負ったから、負債計上するわけです。
であれば、契約を結んだときに義務は確定しているので、契約締結時に負債計上します。
金額は、負った債務の金額です。
株主資本や新株予約権
負債に計上せず、株主資本等に計上するなら、資本金や資本剰余金などに区分して計上します。
保有の会計処理
いつ計上するか?【発生の認識】
契約で何らかの権利が発生したときに計上します。
いつ会計帳簿から除外するか?【消滅の認識】
権利を使ったときや権利を失ったり、権利を他者へ移転させたとき(=支配の移転)に、会計帳簿から除外します。
【発生の認識】貸借対照表計上額はいくら?
他の有価証券と異なることはありません。
内容に応じ、売買目的・その他・満期などに区分して、会計処理します。
今回の記事はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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