連結財務諸表を作る時に、開始仕訳はなぜ必要か疑問に思うことってありますよね。そこで、連結決算をわかりやすく簡単に解説するシリーズの今回は、開始仕訳の超入門解説を、わかりやすくお伝えします。
開始仕訳はなぜ必要かわかりやすく超入門解説!連結決算を簡単に
はじめに
開始仕訳の理解には、連結決算の仕組みを知っておくのが近道です🚶♀️
連結各社の会計帳簿や決算書の数字を引っ張ってきてアレンジするのが連結決算です📝 つまり、連結独自の帳簿がないのが大きな特徴です
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— 内田正剛@会計をわかりやすく簡単に (@uchida016) April 18, 2021
開始仕訳は、去年と今年の連結財務諸表をつなぐ役割を果たしています。
単体決算では帳簿の期首残高が前期の期末残高とつながっているのですが、連結財務諸表では帳簿がありません。
一方で連結仕訳では損益(=利益剰余金)を増やしたり減らしたりしていて、連結仕訳は単体決算とは離れて処理しています。
なので、単に連結各社の単体決算をくっつけてグループ内の取引や債権債務を相殺消去するだけでは、利益剰余金があるべき金額とは不一致を起こしてしまいます。
なので、開始仕訳で利益剰余金の修正が絡む仕訳を別途取り込む必要があるというわけです。
なぜ必要か?
開始仕訳が必要な理由は2つです✌️
1つ目は、連結決算は単体の帳簿や決算書へ書き込まずに情報をアレンジして作っていること📝 2つ目は、利益剰余金を増減させた仕訳は単体決算から拾えないという点です✏️
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必要な理由は、連結決算が単体決算とは数字の作り方が違うからです。
単体の決算書は帳簿の数字を集計して作っていますが、連結には帳簿がありません。
単体の決算書・帳簿の数字を引っ張ってきて、それに加工・調整を「連結仕訳」として加えて、連結財務諸表を作っています。
なので、単体の決算書をくっつけただけでは、利益剰余金があるべき金額と不一致を起こしてしまいます。
開始仕訳のイメージ図
開始仕訳は、過去に連結決算で利益剰余金を増減させた場合に必要です✏️
連結財務諸表は連結各社の単体決算を基に作りますが、過去の連結仕訳で増減させた利益剰余金は反映されていないからです🔍
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今年の債権債務や取引高は単体決算に反映されているので、相殺消去などの修正をしたらいいだけです。
債権債務の残高や取引高は、当期の会計帳簿や決算書から金額を集めることができます。
一方の過去の損益取引の修正については、単体のB/SやP/Lには反映されていませんし、当期の会計帳簿や決算書には載っていません。
なので、過去の損益の仕訳は過去の連結仕訳から引っ張ってくることになりますが、仕訳をそのまま取り込んではいけません。
当期の損益ではないので、そのまま取り込むと今度は当期の損益が歪んでしまうからです。
そこで、「損益を増やした/減らした=利益剰余金が増えた/減った」に注目し、利益剰余金を相手勘定として当期の連結決算へ取り込みます。
これが、開始仕訳の意味です。
対象になる取引
連結各社の決算には前年の利益剰余金が減る仕訳は載っていない一方で、売上原価の減少を当期の連結仕訳で入れると、当期の売上原価がおかしくなります😅
なので、開始仕訳として利益剰余金を減らします📝
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つまり、過去の連結仕訳で損益(=利益剰余金)を増やしたり減らしたりした仕訳が対象です。
なので、過去の連結仕訳をエクセルなどにダウンロードして、損益を増やしている/減らしている取引の仕訳を抽出します。
その仕訳の損益部分の勘定を利益剰余金(期首残高)へスイッチした上で当期の連結仕訳へ開始仕訳として取り込めば、利益剰余金(期首残高)があるべき金額になります。
今回のブログ記事はここまでです。
のちほど、ブログの内容を解説したYouTubeとPodcastを公開します。
最後に、おすすめの記事のリンクを貼りつつ、解説を終わりにしたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。