退職給付の簡便法の計算方法をわかりやすく!期末自己都合要支給額も簡単に解説

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退職給付の計算は難しいイメージの強いトピックですが、要件を満たすとシンプルな計算をする簡便法の適用が認められています。そこで今回は、退職給付の簡便法の計算方法や期末自己都合要支給額とは何かをわかりやすく簡単に解説します。

退職給付の簡便法の計算方法をわかりやすく解説!期末自己都合要支給額も簡単に

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当記事を読むメリット

退職給付の簡便法の計算方法や期末自己都合要支給額の考え方が理解できるようになります。

記事の目次

今回のブログ記事で解説する主なトピックを紹介します。

簡単にいうと

原則法との違い

難しい数理計算がない点です。

会社の規模が大きくない場合は、数理計算による厳密な計算をしなくても決算書へ重要な影響は与えないという考え方が背景にあると思います。

計算の仕組み

一時金制度と企業年金制度で計算の仕方が少し違うので、両者の特徴を押さえるのがポイントです。

簡便法の全体像

2種類ある

一時金制度と企業年金制度のそれぞれについて、簡便法があります。

また、両者の計算の仕方にも複数の方法がありますが、実務で出てくることの多い方法にフォーカスして解説します。

一時金制度はどんな計算をする?

期末自己都合要支給額を退職給付債務として使う方法です。

計算イメージはこちらで解説しています。

企業年金制度はどんな計算をする?

(会計の情報ではない)年金財政計算上の数理債務を退職給付債務として使う方法です。

計算イメージはこちらで解説しています。

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期末自己都合要支給額とは

意味

以下の前提を置いて計算する、「全員辞めたらいくら退職金を払うか?」を示す金額です。

・期末在籍従業員を対象

・従業員それぞれの勤続年数・給与金額を退職金規程に照らして計算

・自己都合で退職

計算例

例えば、従業員Aさんが下記の状況だったとします。

・勤務年数:10年

・基準給与:400,000

・支給倍率:8.0

そうすると、退職金は3,200,000円(=400,000×8.0)となります。

このような計算をすべての従業員について行い、それらを合計した金額が期末自己都合要支給額となります。

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簡便法での一時金制度の計算方法

退職給付債務の金額

期末自己都合要支給額が退職給付債務の金額になります。

つまり、原則法のような予測残高という発想が出てきません。

では、計算の進め方を具体的に見ていきます。

期末自己都合要支給額を計算【計算1】

第3章の感じで計算します。

前期末の要支給額は前期決算で計算済なので、これにより期首・期末の要支給額が計算できたことになります。

退職金支払額を集計【計算2】

会計帳簿から、当期に支払われた退職金の合計金額を集計します。

差額を計算【計算3】

期末自己都合要支給額の期首・期末の差額(計算1)から退職金支払額(計算2)をマイナスし、それでも残った金額(計算3)が退職給付費用となります。

仕訳を簡単に紹介【補足】

退職金の支払時は退職給付に係る負債の減少、【計算1〜3】の計算で負債が増加する場合は、退職給付費用を相手勘定にして退職給付に係る負債を増やす仕訳をします。

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簡便法での企業年金制度の計算方法

退職給付債務の金額

会計ルールの概念とは別の「年金財政計算上の数理債務」という金額を退職給付債務にするという考え方です。

年金資産からの支払は把握不要

退職した従業員に対し、年金資産から退職金が支払われることがあります。

ですが、この金額の把握は不要です。

退職給付債務と年金資産の減少へ自動的に反映されるためです。

年金財政計算上の数理債務を把握【計算1】

生命保険会社から送られてくる「財政決算報告書」に記載されている数理債務の金額を拾います。

前期末の金額は前期決算で把握済なので、これにより期首・期末の金額が計算できたことになります。

そして、両者の差額を退職給付債務の行の「退職給付費用」の欄に記入します。

掛金拠出額を集計【計算2】

会計帳簿から、掛金拠出額の合計を集計します。

年金資産の時価を把握【計算3】

期末の決算のときに、年金資産の時価評価報告書を入手して、時価とその運用益を把握します。

そして、以下の計算結果が退職給付費用となります。

・年金資産の時価(前期末)

・年金資産の時価(当期末)

・掛金拠出額

簡単な数値を使うと、こんな感じです。

・年金資産の時価(前期末):4,000

・年金資産の時価(当期末):5,000

・掛金拠出額       :   200←【計算2】より

退職給付費用(△):800(=5,000-4,000-200)

数理債務の差額を計算【計算4】

数理債務について、期首と期末の差額を計算します。

差額を計算【計算5】

そして、【計算3】と【計算4】を合計した結果が、退職給付費用となります。

【後ほどここに簡単な数値例の解説図表を入れる予定です】

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今回のブログ記事はここまでです。

最後におすすめの記事のリンクを貼りつつ、解説を終えようと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

後ほど、YouTubeやPodcastで解説する予定です。

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