繰延税金資産と別表5(1)の関係!税効果会計をわかりやすく簡単に

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「繰延税金資産は別表5(1)とつながりがあるって耳にするけど、どんなふうに?」って思いますよね。今回は、繰延税金資産と別表5-1のつながり・関係を簡単に解説し、税効果会計をわかりやすく理解できるようにします。

繰延税金資産と別表5(1)の関係

繰延税金資産とは何だったっけ?

「繰延税金資産は税金の前払い」とだけ言われても、ピンとこないですよね。

なので、深掘りしてみます。

以下の記事で「会計は見積り費用をどんどん増やすから、そのまま認めると納税額減っちゃうので、税法は見積り費用を一旦否認」すると解説しました。

税効果会計で最もよく目にする「繰延税金資産」は「税金の前払い」と説明されますが、「繰延税金資産とは税金の前払い?」って感じでイメージがつかみにくいですよね。今回は繰延税金資産を簡単に解説しましたので、これで税効果会計が簡単に理解できるようになりますよ。

費用を一旦否認すると儲けが増えるので、儲けに税率をかけて計算した税金も増えます。

一方で会計は、適当な費用を増やしたいのではなく、それがあるべき費用だと思っているから費用にするわけです。

なのに税法が一旦否認するので、会計的に考えている税額(「税金費用」といいます)よりも「実際の納税額」が大きくなっちゃいます。

ただ、一旦否認するだけなので、税法的にも「この費用は確実だ」と思った時点で費用として認めてくれます。

会計は過去に費用として処理済みなので、税法が「これは費用です」と言ってくれたタイミングでは、費用にはしていません。

なので今度は、会計が考える税金費用よりも、税法が計算した税金の金額の方が低くなります。

「一旦多く払うけど、ズレてから解消するまでを見ると納税額は同じ」です。

だから、最初にズレが生じた時点で「税金の前払い」と言っているのです。

別表5-1の役割は?

税法は儲け(所得といいます)を一から計算するのではなく、会計の利益に「税法的に譲れない処理」を調整して「所得」を計算します。

この「税法的に譲れない処理」のうち、会計と税法が考える「処理タイミングが違うだけのズレを貯める場所」が別表5(1)です。

「処理タイミングが違うだけのズレ」にはいくつか種類があるのですが、一番よく出てくるのは「損金不算入項目(将来減算一時差異)」です。

むつかしく聞こえる用語ですが要は

「会計の費用を税法が一旦否認して、将来の儲けからマイナスする予定の項目」

ということです。

税法は会計の見積り費用を否認したがるから、よく出てくるのです。

ただ、税法が費用として認めてくれるまで何年もかかるかもしれないので、一旦貯めておいて、費用として認めてくれた年度に取り崩す必要があります。

この、「一旦貯めておく場所」が別表5(1)なんです。

要するに?

別表5(1)は、将来的に費用をマイナスしてくれるズレを「一旦貯めておく場所」です。

だから、「将来的に費用をマイナスしてくれる税率」に税率をかけて計算する「繰延税金資産」の計上根拠の大半は、「別表5(1)」に載っているのです。

今回のブログ記事はここまでです。

最後に、おすすめの記事のリンクを貼りつつ、解説を終えようと思います。

「税効果会計のおすすめの本やnoteを知りたい!」そんな方向けのブログ記事です。税効果会計をわかりやすく簡単に解決するシリーズの今回は、わかりやすい書籍やnoteを紹介します。

YouTubeの動画解説はこちらです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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