税効果会計の繰延税金資産は、計上すると利益が増えるので何やらお得感がありますよね。そこで今回は、「繰延税金資産の影響で利益や損失はどうなるのか?」を、わかりやすく簡単に解説しました。
繰延税金資産の影響
計上すると利益が増える
税効果会計の世界では、繰延税金資産は「税金の前払い」って考えます。
すこし簿記ちっくな話をすると、
会計では「税金は費用って考える」
けれども、「前払い」なら
「前払いの金額だけ費用を減らさないと」
って会計処理になるわけです。
つまり、税金が50円だったら、そのままだと費用50円になります。
でも、そのうち20円が前払いと考えるのなら、税効果会計の世界では「費用を30円」と考えてくれるのです。
つまり、繰延税金資産は計上するときに「利益を増やしてくれる効果」があるのです。
取り崩すと利益が減る (損失 費用)
逆に将来の見通しが悲観的になって繰延税金資産を取り崩すことになったら、税効果会計では
「利益は減る方向へ」
会計処理します。
資産が減っちゃうんですから、必然的に相手は「費用の増加」になります。
相手勘定は法人税等調整額が原則だから
税効果会計を使うと、なぜ利益が増えたり減ったりするのでしょうか?
それは、相手勘定が原則「法人税等調整額」(=損益勘定)だからです。
繰延税金資産が増えた時は、貸方に「法人税等調整額」が出てくるので、利益が増えます。
逆に、繰延税金資産が減ったときは、借方に「法人税等調整額」が出てくるので、利益が減ります。
つまり、税効果会計は、使う前の業績のブレを大きくする効果が(よくも悪くも)あるのですね😅
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