繰越欠損金の繰延税金資産の回収可能性は?税効果会計をわかりやすく

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税法の儲けがマイナスの場合、将来の儲けと相殺できる制度を「繰越欠損金」といいます。では、繰越欠損金に関する税効果会計はどうでしょうか?今回は、繰越欠損金の繰延税金資産の回収可能性について、わかりやすく簡単に解説します。

繰越欠損金の繰延税金資産の回収可能性

繰越欠損金もほかの一時差異と同じ


繰越欠損金だからといって、繰延税金資産の回収可能性について特別なルールはありません。

基本的には、他の将来減算一時差異と同じ考え方に則って検討をします。

つまり、会社分類に従って繰延税金資産の回収可能性を検討します。

ただし、他の将来減算一時差異は「いつ解消するか?」というアプローチで検討するのに対して、繰越欠損金については「いつ消化するか?」という視点で検討するという点は、異なります。

繰越欠損金の注意点

繰越欠損金特有の注意点は3つあります。

(1) 限度額がある

1つ目は、「1年に利用できる限度額がある」ということです。

どんなに多額の繰越欠損金があっても、「税法の儲けの50%」までしか使うことができないのです。

税効果会計的には「いつ消化するか?」が繰越欠損金の検討ポイントですが、そこに制限がかけられています。

(2) 期限切れがある

繰越欠損金は、未来永劫使えるわけではないんですね。

何度か改正されて現在は「10年」というルールになっています。

つまり、10年経ったら、使ってないのに繰越欠損金が消えてしまうんです。

これは、スケジューリングを考える上で重要ですし、分類4の規定でも「期限切れ」についてルールがあります。

つまり、期末に繰越欠損金がなくても、期限切れがあったら、該当してしまう余地があるということなんですね。

(3)期限切れにもフォーカスする


繰越欠損金の繰延税金資産の回収可能性の検討でひそかに見落とせないのは、「期限切れ」です。

当期末に残高があるのかないのかだけ見ればいいというわけではありません。

過去3期と当期に欠損金の期限切れが発生していないかを、慎重にチェックします。

なお、繰延税金資産の回収可能性については以下のブログで解説していますので、ぜひどうぞ。

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