税効果会計の繰延税金資産の回収可能性を検討するときに、「将来の課税所得の見積もり」が必要です。右肩上がりに「えいやっ」てのはダメなんです。今回は、「将来の課税所得の見積もりの注意点」を、わかりやすく簡単に解説します。
将来の課税所得の見積もりの注意点
【税効果会計をわかりやすく簡単に46🤔】
✅将来の課税所得の見積もりの注意点は?
2つある✅(1) 会社の意思決定機関が承認した計画
単に鉛筆舐め舐めの計画はダメ✅(2) 現実性のある計画
・「頑張るから激しく右肩上がりになるはず」はダメ
・現実的には過去の実績と整合した計画に pic.twitter.com/iVWHYQh3l9— 内田正剛@会計をわかりやすく簡単に (@uchida016_ac) 2019年6月7日
会社の意思決定機関が承認した計画
会社が「今後いくらくらいの売上や利益になるのか?」を計画化したものを、「事業計画」といいます。
繰延税金資産の回収可能性の検討にあたっては、「将来の課税所得の見積もり」が欠かせませんが、この「事業計画」と整合したものでなければなりません。
「将来の儲け」次第で、決算書に載ってくる繰延税金資産の金額が変わってくるのですから、経理の一担当者が鉛筆を舐めて書いた計画を使うわけにはいかないからです。
会社の事業の全体像と現状を熟知した経営陣たちが見積もった数値だからこそ、決算の根拠として使うに値するのです。
現実性のある計画
「これから精一杯頑張るから、利益は激しく右肩上がりで」はダメということです。
決算書に資産として載ってくるのですから、「思ったほど利益が伸びませんでした」では決算書の利用者の判断を誤らせてしまうのです。
受注がすでに取れているなどの、「将来の利益が2倍になる・3倍になる」という確たる根拠があればいいのですが、特にないのであれば、過去の実績などをもとに見積もるのが「現実的」です。
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