繰延税金資産は、どういう時に会計帳簿へ記録(計上)するのでしょうか?税効果会計の基本的な仕組みを理解すればわかるので、今回は「繰延税金資産はどういう時に計上するか?」をわかりやすく簡単に解説しました。
繰延税金資産はどういう時に計上するの?
税効果会計をおさらい
会計と税法は、費用や収益を会計帳簿へ記録するときに、考え方に差があります。
特に日本の税制では、「費用をいつ認めるか?」について会計と税法で大きな差ができています。
ただ税法も、費用を永遠に認めないというわけではなく、タイミングが会計よりも遅いケースが大半です。
税金は税法に従って計算するので、会計が想定した税金費用と実際に計算された税金には「一時的にズレ」が発生することがあります。
このズレを調整するのが、税効果会計です。
繰延税金資産はどんな時に計上?
税法が会計の費用を一時的に否認したときです。
例えば賞与引当金が典型例です。
「回収可能性」の話を別にして解説すると、賞与引当金は「発生が見込まれる時点」で費用として認めますが、税法では実際に賞与が支払われたタイミングで費用として扱います。
そうすると、会計が賞与引当金を会計帳簿へ記録した時点で決算を迎えたら、会計の儲けと税法の儲けは賞与引当金の費用だけズレることになります。
ズレると、ズレた分だけ税法の方が税金が会計の税金費用よりも一時的に多くなります。
このズレを会計では「税金の前払い」と考えて、「繰延税金資産」を会計帳簿へ記録します。
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