「割引率」の考え方がわかると、割引現在価値の計算の仕組みがかなりクリアに見えてきます。そこで今回は、割引率の考え方を、初心者の方にもわかるような図解でわかりやすく簡単に解説します。
割引率の考え方を図解でわかりやすく簡単に解説!割引現在価値計算の入門
記事の信頼性
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当記事を読むメリット
割引率の考え方が理解できるようになります。
記事の目次
今回のブログ記事で解説する主なトピックを紹介します。
割引率とは?初心者向けにサクッと解説
将来手に入れると見込まれるお金を、いまの価値になおす計算をするときに使うのが割引率です。
例えば、1年後に手に入る10,000円をいまの価値になおすときは、10,000を100%+1%で割って9,901円と計算します。
この1%のことを割引率といいます。
なぜ割引現在価値計算をするのかは、この記事で解説しています。
そして、どんな割引率を使うのかは、どのような運用機会を想定するのかがポイントです。
想定する運用機会によって、収益率(=割引率)が変わるからです。
割引率は運用機会と関係している
割引率と運用機会
割引率を決めるには、どんな運用機会を想定するのかを検討する必要があります。
割引率は、お金を持っていたら稼げた儲けの割合で計算するからです。
具体的に何を検討する?
想定される運用機会では、どの程度の収益率で、どの程度の時間軸(=期間)で稼ぐのかを把握します。
例えば、10年間で国債利回りと同じ水準の運用機会を想定するのであれば、10年ものの国債利回りを参考に割引率を決定します。
また、株主や債権者から出してもらって事業投資することを想定するのなら、資本コストを計算して割引率を計算します。
誰から出してもらったお金か?
ここから、事業投資の話に進んでいきます。
事業投資で運用機会を考えるには、「誰から出してもらったお金か?」を考える必要があります。
事業投資に関していうと、答えは株主や債権者です。
出してもらったお金を会社は運用しお金を増やしますが、株主や債権者は何の見返りもなくお金を出してくれるわけではありません。
儲けを期待して会社へお金を出すので、会社は株主や債権者に対して儲けを分配する必要があります。
そして、出したお金に対してどの程度の儲けがあるかを示す指標を、利回りといいいます。
つまり会社は、運用で得た儲けが(株主や債権者にとっての)利回り以上でないと、ビジネスが続けられません。
利回りを会社から見ると?
株主や債権者に払うお金なので、コストと捉えることができます。
このコストを実務では、資本コストと呼んでいます。
「利回り=コストってどういう意味?」と混乱してしまいますが、利回りを会社目線で見たらコストと捉えることができますよねっていう話です。
貨幣の時間的価値と資本コストの関係
それでは、貨幣の時間的価値を考えるときに、資本コストをどのように捉えればいいかをみていきましょう。
貨幣の時間的価値【おさらい】
いまのお金と1年後のお金の価値に差があるのは、いま持っているお金の方が運用機会があるためです。
したがって、将来のお金をいまの価値になおすには、運用機会で発生する収益を機会コストととらえます。
機会コストと資本コスト
ここで、株主や債権者に対して支払う資本コストを考えます。
会社は株主や債権者からお金を出してもらいつつ、運用して成長していきます。
成長するためには、資本コストと同じ儲けでは不十分で、運用機会で得るべき収益は彼らに対して支払うコスト以上である必要があります。
そこで、資本コストを運用機会で得るべき(最低限の)収益=機会コストと位置付けます。
つまり、資本コストを貨幣の時間的価値のときの機会コストと同じように考えましょうという発想をします。
今回のブログ記事はここまでです。
後ほどYouTube動画とPodcastを公開予定です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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