EBITDAは企業価値評価などでよく見かける指標ですが、どういう意味なのか気になりますよね。DCF法とどういう関係にあるのかも知りたいところです。そこで今回は、EBITDAはどういう意味なのかを、企業価値評価やDCF法との関係とともにわかりやすく簡単に解説します。
EBITDAはどういう意味?企業価値評価やDCF法との関係もわかりやすく簡単に解説
記事の信頼性
このブログ記事の筆者の内田正剛は、週刊経営財務でデータベースアクセス数1位を獲得しています。また、ブログとあわせて発信しているYouTubeチャンネルも好評で、登録者6,900名を超えています。ご興味頂けましたら、プロフィールやYouTubeをご覧下さい😌
当記事を読むメリット
EBITDAがどういう意味かを理解できるようになります。
記事の目次
今回のブログ記事で解説する主なトピックを紹介します。
どういう意味か?
考え方を簡単にいうと
「会社がどれだけ稼げているか?」を示す指標です。
「儲け」と聞くと利益がパッと思い浮かぶので決算書を見ると、たしかに「利益」は載っています。
ですが、利益を計算するときは、コスト(モノを作るための材料代や電気代など)以外にもマイナスされています。例えば税金がその例です。
また、お金を借りていたら利息を払いますが、払った利息はもちろん利益を計算するときにマイナスします。
そんなときに、こんな疑問がふと出てきますよね。
「税金・利息の支払いって会社の稼ぐ力と比例するの?」
そうです。
これらの費用などは「会社の稼ぐ力」とは少し関係が薄いのです。
ですから、「会社の稼ぐ力」をチェックしたければ、利益からこれらの影響を除外しましょうという発想が、EBITDAです。
ある会社や事業を買収しようか考えるときに気になるのは、
「その会社・事業は儲かっているの?」
「今後も儲かりそうな事業なの?」
ということでしょう。
そんなときに損益計算書をチェックしてみても、いろいろな項目が載っていて、
「で、どうなの?」
と思ってしまうのではないでしょうか。
そこで使うと役立つ指標がEBITDAというわけです。
EBITDAってなんの略号?
6つの用語の頭文字を取ってくっつけたものです。
E:利益のことです
B:「何かをする前の」の意味で、答えはこの後にあります
I :支払利息のことです
T:税金のことです
D:減価償却費のことです
A:無形資産の償却費のことです
フリーキャッシュフローとの違い
まったく別のことを対象にしているわけではないので、大きくかけ離れているわけではありません。
つまり、EBITDAの一部分でもあるEBITは、フリーキャッシュフローの一部分といってもいいでしょう。
こちらのブログ記事を見て頂けると、「一部分」と言っている意味がイメージできると思います。
EBITとEBITDAの関係
ともに対象企業の稼ぐ力を示す指標ですが、名前のとおり、計算過程に少し違いがあります。
EBIT
利息と税金を差し引く前の利益という意味です。
したがって、経常利益に支払利息をプラスし、受取利息をマイナスすることで計算します。
EBITDA
EBITに減価償却費をプラスして計算します。
このように厳密には違いがあるので、両者は親戚のようなイメージで捉えて頂ければと思います。
DCF法や企業価値評価との関係
DCF法との関係について
順番を見ると、EBITDAとDCF法の関係が見えてくると思います。
こんな感じです。
EBITやEBITDAを計算・・・①
↓
運転資金の増減や①などをもとにFCFを計算・・・②
↓
②の計算結果をいまの価値に割り引く・・・③
EBITDA・EBITは①のことで、DCF法は③です。
つまり、EBITDA・EBITは、DCF法の計算過程で出てくる1つの情報と考えればいいでしょう。
なお、DCF法でベースとなるフリーキャッシュフローの計算では、EBITを使います。
厳密にいうとEBITDAではありませんが、EBITDAの親戚の指標を使ってDCF法や企業価値の計算をする関係にあると捉えてください
ちなみに、いまの価値に割り引いて計算することを「割引現在価値」とか「現在価値計算」といいますが、こちらのブログで解説しています。
企業価値評価との関係について
企業価値評価には、さまざまな評価方法があります。
先ほどのDCF法をはじめ、修正した純資産を使う方法や、株価倍率を使う方法などがあります。
このうち、DCF法の計算過程で出てくるのが、EBITDAの考え方であるのは先ほどお話したとおりです。
つまり、企業価値を評価する計算の過程でEBITDAの考え方が出てくるというイメージで捉えればいいでしょう。
簡単計算例については、後日公開予定です。
最後におすすめの記事のリンクを貼りつつ、解説を終えようと思います。
YouTube動画での解説はこちらです。
Podcastでもお楽しみ頂けます。
最後までお読み頂きありがとうございました。