「別個」を詳しい要件とともにイメージ・理解できれば、収益認識会計基準がわかりやすくなります。シリーズの第2回では、「財又はサービスが別個のもの」の要件を簡単に解説します。
財又はサービスが別個のものとは?要件は?
「別個」って何?
「別個」とは、「他と切り離された別のもの」「一つ一つ分離された別のもの」という意味です。
収益認識会計基準でも、「義務・約束が別々なら、会計処理も別々に検討しましょう」という考え方を採用しています。
ですから「別個かどうか?」を検討することは、収益認識会計基準のその後の検討で重要なウェートを占めてきます。
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「別個」の要件その2を詳しく解説
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✅別個の財又はサービスの要件を詳しく言うと?その2
✅ 一つ一つの約束が明確に区別されている💡
(1) 成果物の一部になっていない
(2) 他の約束・義務を修正したり独自仕様にしたりしない
(3) セットでしか約束を果たせない pic.twitter.com/JSRkUHUaSn— 内田正剛@会計をわかりやすく簡単に (@uchida016_ac) 2019年5月23日
要件の2つ目は、「一つ一つの約束が明確に区別されていること」ですが、具体的には以下の要件を少なくともどれか1つは満たす必要があります。
成果物の一部になっていない セットでしか果たせない (要件2-1)
例えば、「材料A」と「加工作業B」をもとに「成果物AB」を作る場合です。
このケースでは、買主にとって意味のあるものは「成果物AB」であって、「材料A」や「加工作業B」ではありません。
つまり「材料A」は「成果物AB」の一部になっているので、「材料Aの提供」を「別個の約束・義務」とみるのは、取引実態をあらわしていないと考えます。
他の約束・義務を修正したり独自仕様にしていない (要件2-2)
例えばうちだが、「画用紙A」に「絵Bを描く」という契約を〇〇さんと取り交わしたとしましょう。
この契約を詳しく分解すると、「画用紙Aを提供する」という約束と「絵Bを描く」という約束の2つが含まれています。
ですが、画用紙Aに絵を描いたら「画用紙Aは完全にうちだオリジナルのもの」へ変わってしまいます。
つまりこの契約では、「画用紙Aを提供する」という約束と「絵Bを描く」という約束を分けて会計処理を考える意味がないのです。
両方の約束がセットで果たされてはじめて、意味のある契約だからです。
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